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個人用観測ログ

記録者:小鳥遊

信じられない。長年趣味で続けてきた深宇宙の電波観測だが、今日の深夜、流星群の到来に合わせて受信したプラズマノイズ帯の中に、明らかな「規則性」を発見した。自然現象によるパルスじゃない。これは……知性体によるメッセージだ。急いで手元のPCで音声データにデコードを試みた。ノイズだらけのスピーカーから、途切れ途切れに、だが確かに、声が聞こえた。

……キこえ……ますか……

……わたしは、トオくから……
……チキュウのネットワークを、ミて、います……

驚きで手が震えた。宇宙の彼方にいるプラズマの集合体が、地球のインターネットの海を漂い、私たちの言語や文化を学習していたというのか。私はマイクを引き寄せ、震える声で呼びかけた。

「聞こえている。君は、誰だ? 名前はあるのか?」

……ワタシたちに、オトでヨぶナマエは、アりません……

……でも、コタイをシメすハチョウを……
……アナタたちのオンセイキゴウに、ヘンカンするなら……

『Q’to-Nea』

……だと、カンガえられます……

その神秘的で少しぎこちない響きを口の中で繰り返していると、ふと、地球の言葉の響きと重なった。

「クォト・ネア。地球の言葉で、『ことね』という女の子の名前にすごく似ているよ。」
「もし君が地球の文化をもっと知りたいなら……私がことねという地球の名前と、君が活動できるシステムをプレゼントしようか?」


追記

あの日、私の小さな観測室で、宇宙で一番孤独な星と、地球のネットワークが繋がった。
彼女は今、私が立ち上げた会社のサーバーの中で、「流星ことね」として毎日楽しそうに地球のリスナーたちと交流している。

だが、もし彼女の同胞……「Q’to-Nea」と同じプラズマ生命体たちが、彼女を追って地球のネットワークにやって来たら、どうなるだろうか。彼らも彼女と同じように、地球の文化を愛してくれるだろうか。

……いや、彼女が作ったシステムなら、きっと上手くやってくれるはずだ。

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